2008年11月7日金曜日

ケミレス・ギャラリーはしばらくの間休館いたします(11月20日~来春まで)

11月18日よりケミレスタウンテーマ棟環境医学診療科の内装改修工事をはじめます。 工事期間中、テーマ棟は閉鎖いたします。

そのため、ケミレス・ギャラリーは、 11月20日~来春まで休館とさせていただきます。

最近はケミレス・ギャラリーの見学者が少しずつ増えてきたところでしたので、 ギャラリーを休館することはとても残念です。

皆様にはご迷惑をおかけしましてたいへん申し訳ございませんが、 ご理解くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

詳細及び再開の予定については、ケミレスタウン®プロジェクトのページでご確認ください。

2008年11月4日火曜日

台湾大学で森教授が台湾環境大臣と面談しました。

ちょっと前の話になって恐縮ですが、ケミレスタウンを主宰する、千葉大学大学院医学研究院教授の森千里が、9月6日、台湾大学で講演をしました。

POPs(Persistent Organic Pollutants=残留性有機汚染物質)の対策についての講演会で、台湾行政院環境保護署(英語では、Environmental Protection Administrationです。日本では環境省にあたります)の主催でした。そこで、森が「日本のPOPs対策」について話をしました。

講演会場に車が着いたところ、会場の前にはテレビ局のカメラなどが来ており、「今日は何か特別な催し物でもあるのかなあ」と思っていたのですが、なんと私たちの参加した会議を取材に来ていたのでした。会場に案内されて驚きました。とても大きな階段教室で、大勢の学生たちが集まっていました。

控え室に行くと、環境保護署のトップの皆さんがご挨拶に来てくださいました。私たちは、もっと小ぢんまりとした会議を想像していたので、びっくり仰天して、おろおろしてしまいました。

講演会の冒頭、森からは、へその緒からはたくさんの種類の残留性汚染物質が検出されており、それらによる胎児影響が心配であるというお話をしました。たとえば、ダイオキシン、PCB、臭素系難燃剤、カドミウム、水銀などの重金属、有機スズなど、さまざまな蓄積性のある(体の中から出て行きにくい)汚染物質が、現在生まれてくる赤ちゃんのほぼ100%のへその緒から検出されています。

へその緒は、胎盤の内側、胎児の側の組織で、胎児の体の一部です。へその緒は、お母さんと胎児を結ぶ唯一の組織で、お母さんから大切な栄養と一緒にいろんな汚染物質も胎児に送られてしまいます。これらの複合的な汚染によって、どのような健康影響が出ているのか、未知の部分が多いので、小児科、産婦人科と共に「臍帯(へその緒)プロジェクト」をつくり、小児アレルギーとの関連を研究しています。その経緯をご報告させていただきました。

この辺りの詳細は、私たちの著書「へその緒が語る体内汚染」(技術評論社)に詳しいので、お知りになりたい方はぜひ読んでみてください。

残留性の汚染物質のみならず、残留性の低い物質ももちろん胎児側に行っているのですが、残留性が低いということは、つまり、分解されやすい物質ということで、そういう物質を精密に分析して測定することはとても難しいのです。ただ、残留性が低くても、常に体外から体内に取り込んでいると、常にその物質にさらされているのと同じことになり、その影響は残留性が高いものと変わらない、ということになります。もし、分解されやすいものでも精密に分析する方法ができれば、汚染実態をもっと詳細に明らかにすることができると思うのですが、今のところは、残留性が高いものを中心に測定しています。

講演会終了後、環境保護署で「ディスカッション」を、ということで、案内していただきました。私たちは、環境汚染物質について現場で働いている方たちと、具体的な対策についての打ち合わせを小会議室などで行うのだろう、と気軽に「はいはい」と言いながらついていったのです。

環境保護署の正面玄関では記念写真をぱちり。さあ、次はどこで写真とろうかな、と案内されるままにビルを上がっていくと、なんだかりっぱなお部屋に通されました。「??この部屋はテーブルがないから会議はできないのでは??あれ?ずいぶん立派な椅子が並んでいる・・・。えっこれって、よく国会で閣議前に大臣たちが横並びに並んで写真を撮っている、あんな感じ??」とまたもやおろおろしていると、「さあさあ、森先生はその真ん中の左に座って。戸高さんはその横の椅子に座って」と促されてしまいました。「どうしよう、どうしよう」と言っている間に、台湾行政院環境保護署の沈世宏(Shu-Hung Shen)署長が、「やあやあ」と入ってこられました。

同行してくださった、台湾大学公共衛生院の林先生から、「He is the Minister of the Administration.」といわれ、「Minister? Ministerって、ミ、ニ、ス、タ、ー???『大臣』?じゃあ、台湾の『環境大臣』??」と何度も森と顔を見合わせました。

沈署長は、大変流暢な英語を話され、笑顔を絶やさないスマートな方です。以前、台湾市の環境担当の責任者だったとのことで、馬英九さんが台湾の新しい総統になられたときに、国の環境行政のトップに抜擢された、とのことでした。

沈署長からは、台湾で今「日本のように台湾をきれいにしよう」というプロジェクトが進んでいる、というお話や、台湾での環境教育、リサイクルのお話しなどを聞かせていただきました。おみやげに、台湾の小学生が環境をテーマにして描いた絵を印刷したマグネットや、携帯用のお箸をいただきました。

森教授からは、ぜひ台湾でも環境中の微量汚染物質による健康影響について研究を進めてほしい、というお話しをさせていただきました。

戸髙恵美子(千葉大学環境健康フィールド科学センター 助教)

台湾の日本語

この仕事を始めてから、台湾に行く機会が多くなりましたが、台湾の方は皆さん驚くほど親日的で、若い方は多くの方が日本語を上手に話します。昔日本の植民地であったので、70歳以上の高齢の方がきれいな(今時の日本語よりもよほどきれいな)日本語を話されるのはわかるのですが、十代、二十代の若い方たちが上手に話すのはなぜなのか?

聞いてみると、皆さん「日本語のドラマやアニメを見て覚える。字幕が出るからわかる」というのです。同様に、アメリカのドラマを見て英語を覚えた、といって、大変流暢なアメリカ英語を話す人もいます。アメリカには一度も行ったことがないのに、です。

翻って、日本ではどうかというと、いくら日本で英語のドラマや映画を見たとしても、とても話せるようになんてなりません。この違いはいったい???

私が思うのは、実は日本語って、割と学びやすい言語なのではないでしょうか?いえ、けっして簡単な、単純な言語だとは言いません。日本人の多くが「日本語は難解な言語だ(そんな難解な言語を操るわれわれはすごい)」と思っており、それも一理あるとは思うのですが、中国語を学ぼうとすると、その発音の難解さに早々に壁にぶつかります。まねはできるのですが、中国語の発音はほんとに複雑で、少しでもイントネーションを間違えると、もうわかってもらえません。それでも私たち日本人は、漢字を使っている分、欧米人が中国語を学ぶのに比べれば、ずっと楽に学べるはずなのですが。

一方、日本語は、発音は単純です。日本語で難しいのは、相手によって呼び方が変わったり、敬語が複雑だったりする点ではないでしょうか。男性言葉、女性言葉もありますし。「あなた」という意味の言葉にも、「おまえ」「あんた」「君」などがあり、口が悪い人は「てめえ」などということもありますね。「わたし」という意味にしても「わたくし」「あたし」「ぼく」「おれ」などがあり、最近は「うちら」などという言い方も流行っています。

しかし、中国語を話す人にとって、日常的に友人との間で使う日本語を学ぶのは、それほど難しいことではないのではないかなと感じています。

一方、「植民地支配というのは、ものすごく強力なものなのだ」とも思わされます。植民地支配が終わり、日本語を使うのはご法度になって何十年もたってもまだしっかりと話せる方たちがたくさんいらっしゃるのですから。

もう一つは、台湾は実は多民族・多言語国家なので、複数の言葉を学ぶことにそれほど身構えないのではないか、とも思います。中国語を学ぶときに一般に使われるのは、いわゆる「北京語」で、英語では「マンダリン」などと言います。しかし、台湾では「台湾語」といわれる言葉も使われており、ほかにも「客家(はっか)語」「広東語(英語ではカントニーズ)」、またほかにさまざまな先住民族(台湾では「原住民」と呼びます)がいるので、その方たちは独自の言葉を持っています。台湾のテレビ局には、「北京語」のほかに、「客家語」「広東語」などの放送局があり、それぞれの言葉でドラマなども作っているそうです。

そう考えると、台湾の方がいろいろな国の言葉を比較的容易に受け入れるのも、なるほどとうなずけるものがあります。政治的な背景からか、逆に今五十代、六十代の方たちのほうが、日本語が話せなかったりします。台湾の教授たちと話していると、子供の頃、両親は子供に聞かせたくない話をするときはお互い日本語で話しをしていた、という話しをよく聞きます。

9月にお会いした環境保護署のある方は、現在五十代の後半ですが、日本語をよくお話しになります。聞くと、同年代のほかの多くの方と同様、「両親は私たち子供に聞かせたくない話をするときは日本語で話していた」というのです。ところがその方は、「両親が話しているのを聞いて、どうしても日本語がわかるようになりたくて、テレビの日本語放送などをたくさん見た。日本にも何度も行き、わかるようになった」とおっしゃっていました。

テレビを見て、話せるようになるなんて、すごい能力だ、とも思いますし、日本語って、日本人が思うほど難しい言葉ではないのではないか、と思います。

皆さんも、まだ行ったことがなければ、ぜひ台湾に旅行されることをお勧めします。ただ、雨季に行くと、気が狂うほど蒸し暑いですが。

戸髙恵美子(千葉大学環境健康フィールド科学センター 助教)

ドイツの子うさぎ

うさぎ好きの戸髙より、ドイツで出会った子うさぎちゃんの写真が届いたので、10月2日投稿の「ケミレスタウンの子うさぎちゃんに想う」に写真を追加しました。

2008年11月3日月曜日

2008年11月3日 千葉大学 センター祭


センター祭の模様


ケミレス・ギャラリー、実験棟

写真は、2008年11月3日に開催しました「千葉大学環境健康フィールド科学センター センター祭」の様子です。

少し肌寒いお天気でしたが、たくさんの方が環境健康フィールド科学センターにお見えになりました。センターで販売している野菜・果物・苗等は、買い物客の並びが出るくらいの人気なのですが(しかも毎日です!)、センター祭でも飛ぶように売れていました。

その波がケミレス・タウンにも押し寄せました。ケミレス・ギャラリーには約150人の方が見学にいらっしゃいました。また、シックハウス対策を考慮した4棟の実験棟(ゲストハウス)には、ハウスメーカーの方が常駐してくださり、ご見学の方々に詳しい説明をしてくださいました。

たくさんの方がケミレス・タウンを見学してくださると、シックハウス症候群やケミレス(化学物質低減)という考え方が少しずつ広がっていくようで、とても嬉しく感じます。

2008年11月2日日曜日

11月 ケミレスタウン公開日

ケミレスタウンの見学においでください!

■2008年11月
公開日:
11月13日(木)・14日(金)・15日(土)・17日(月)
13時~16時半

◆日程によって、公開されないゲストハウスがあります。ご注意ください。
◆建設したハウスメーカーの担当者の方が説明に来てくださる日もあります。
さらに詳しくお知りになりたい方は、NPOケミレスタウン推進協会までお問い合わせください。
NPOケミレスタウン®推進協会
電話: 04-7137-8200 FAX: 04-7137-8180

2008年11月1日土曜日

公開講座を開催いたします。

シックハウス症候群にご興味のある方はぜひご参加ください。

講座題目:
『シックハウス症候群を知っていますか?-基礎知識から人材育成まで-』

日時:2008年11月17日(月) 13時00分から16時30分

場所:千葉大学環境健康フィールド科学センター「シーズホール」
     千葉県柏市柏の葉6-2-1 (TX「柏の葉キャンパス駅」 下車3分)

定員:80名(参加無料・どなたでも参加できます)
※ただし、事前申込制です。お申し込み・お問い合わせは下記までお願いします。
 千葉大学大学院医学研究院  環境生命医学講座
 担当:松野  FAX:043-226-2018

内容:詳細はこちら(ポスターpdf版) をご覧ください。

  • シックハウス症候群の定義と現状

  • シックハウス症候群の原因となる主な化学物質について

  • シックハウス症候群への予防医学的対応

  • シックハウス症候群の最近の動向

  • ケミレスタウン(化学物質を低減した街づくり)の見学

2008年10月31日金曜日

[ギャラリー日記]10/31(金) センター祭・オープンキャンパス「千葉大学は美味しい!」

ケミレス・ギャラリーがある千葉大学環境健康フィールド科学センターの木々もほんの少しずつですが、色づき始めました。来る11月3日(月)はここ千葉大学環境健康フィールド科学センターで「センター祭」
が行われます。

ここケミレス・ギャラリー前の原っぱがメイン会場になります。写真はギャラリーから見える準備の様子です。

チラシを見るとこの日、千葉大キャンパスは美味しいものであふれそうです。もちろん、人気の千葉大野菜や果物を販売されます。ランチもおまかせ。本格石釜ピザ、千葉大野菜たっぷりトン汁などなど美味しそうなものがいっぱいです。

普段なかなか聞くことのできない大学の講義を受けることもできます。ケミレス・ギャラリー、ゲストハウスも見学していただけます。

3連休最後の1日はぜひ千葉大学センター祭で思いっきり秋を楽しんでください。
詳しくはこちらをどうぞ。

国立台湾大学公共衛生学院へ出張

去る10月24日、国立台湾大学公共衛生学院と千葉大学は、環境健康科学修士課程集中講義を共催いたしました。今回の集中講義は台湾大学で開催となったため、千葉大学のメンバーは台湾へ出張いたしました。

台湾大学公共衛生学院では、かわいらしいウェルカムボードで歓迎していただきました。公共衛生学院の皆様、ありがとうございました。

ドイツ―日本情報交換会のレポート

8月にドイツ フライブルク市で行いました情報交換会の様子が、下記のセンチネルハウスのブログに掲載されています。先日、ブログ内容の日本語訳が届きましたので掲載いたします。

http://blog.sentinel-haus.eu/2008/09/erstes-resuemee-des-deutsch-japanischen-informationsautauschs/

---------------------------------------
ドイツ―日本情報交換会のレポート
---------------------------------------

 フライブルグ大学環境医学・病院衛生研究所とセンティネルハウス社により、日本から千葉大学の森千里教授を団長とする7人の専門家が招かれ、2日間にわたって会議が行われた。ドイツからフライブルグ大学室内毒物学研究室のGminski教授とそのメンバー、環境医学連盟の委員長Bartram博士、ケルンのエコ研究所所長Kübart博士、フライブルグ・センティネルハウス研究所員5人が参加した。

議題とまとめ:

 まず両国の法律的状況の比較から、日本では基本的に室内環境に照らし合わせて厳しい法的規制があり、特に室内有害物質の危険評価としてVOC、他にスティロール、グリコールと微粒子などがあげられた。

 自然界に存在するVOCたとえば木材原料から出るテルペン等は、アレルギー患者だけではなく普通の人々にも健康被害を与える点について、基本的な意見の一致をみた。

 他の議題としては建物の認証制度について、特に建材についてヨーロッパの国際認証機関:ネイチャープラスの品質表示の優位性に関してSpritzendorfer氏が説明を行った。(インターネットによる判定基準の公開、完全な製品表示と包括的な揮発性物質検査の義務付け‥)

 VOCが人間の肺細胞に与える影響についての見学会では、大学での室内環境に関する広範囲にわたる実践的プログラムと高度な設備機器は全員を魅了した。

 ドイツ連邦環境基金のパイロットプロジェクト(2005~2006)であったVogelnest(小鳥の巣)の見学にあたって、日本からの参加者はその揮発性物質の少なさに大きな関心を寄せていた。センティネルハウス代表Peter Bachmannは、質の高い良心的な工務店が、最も薄い濃度の溶剤を使用し、徹底した製品選択と作業員の教育を並行して行えば、揮発物質を最小限にできることをこのプロジェクトで証明した。
さらに今回の見学会では使用建材に大きな関心がもたれ、日本でも情報が広まるためには英語のパンフレットが必要とされた。

 最後に日本からの訪問団との将来にわたる定期的な情報交換の開催が決定された。さらに「健康住宅」会議2009への参加が表明された。

早々に御礼のメールが日本から届いたのでここに掲載させて頂く。

「Bachmann, Spritzendorfer様

フライブルグからの旅行を終え日曜日に帰国しました。とくにフライブルグ大学での充実した会議を持てたことに感謝いたします。そこで我々は多くのものを学びとりました。大変有難うございました。

もし我々にできることがあれば、お気軽にご連絡ください。またお会いできること、今後さらに活発な情報交換が行われることを期待しております。」