2009年6月30日火曜日

ヨーロッパ出張に行ってきました

6月18日から28日まで、森教授、戸高助教、中岡の3人がコペンハーゲン(デンマーク)・ブリストル(イギリス)・パリ(フランス)へ出張してきました。11日間のハードスケジュールでしたが得られたものも多く充実したものとなりましたのでご報告いたします。


【コペンハーゲン】 6月19日、パリを経由してデンマークの首都コペンハーゲンに到着しました。到着時の気温は13℃、街を行き交う人たちの冬のような服装にちょっと驚きでしたが、雨が降ると本当に寒く傘をさす手がかじかんできて、みんなが着ているニットのセーターにも納得しました。滞在したのはコペンハーゲンから電車で30分くらいのベドベクという海沿いの街で、きれいなデザインの街並みと美しい花々が印象的なところでした。


 このベドベクにある東海大学ヨーロッパ研修センターで開催されたセミナーに我々は参加したのですが、センターからは海が見渡せ、そのむこうにはスウェーデンの街を見ることができました。私たちは北欧の美しさに感激すると同時に、こんなに美しい場所にセンターを持っている東海大学をとてもうらやましく思いました。
 セミナーではテーマであるエピジェネティックについて森教授が「Epigenetic alteration induced by fetal and neonatal exposure to retinoic acid and endocrine disruptors including diethylstilbestrol (DES) 」の講演を行いましたが、参加された方々が皆、とても熱意をもっておいでで、質疑応答も活発に行われました。また、最先端の研究が次々と発表され私たちもエピジェネティックについて大いに学ぶことができました。
 夏至間近でいつまでも明るく輝く白夜のデンマークで、セミナーに参加できたことはとても幸運でした。


【ブリストル】6月22日、朝早くコペンハーゲンを出発し、パリ経由でブリストルに向かいました。途中のパリで、手荷物検査もすませあとは飛行機に乗り込むだけという時に、なんということか、予定していたブリストル便がキャンセルされてしまいました。どうにか次の便に乗り込むことができ、その日のうちにブリストルに到着しましたが、パリでは8時間も空港に閉じこめられ、ブリストルには20時間ほどの短い滞在となりました。
 
 それでも、23日の午前中はブリストル大学のGordon教授をはじめNess 教授Dr. Lewis と公衆衛生大学院のこと、小児コホートスタディのことについてディスカッションをし、午後は先日のWHOシンポジウムでおめにかかったGording先生と小児コホートスタディについてお話を伺うことができました。ブリストル大学はイギリスでも有数の大学で、特に母子コホート研究については多くの経験と成果をもっています。これから小児コホートを進めていきたいと願っている私たちにとっては大変参考になりましたし、お互いに多くのことを話し合うことができました。 本当に短い滞在でしたが、ブリストル大学の先生方の次世代の子供たちの健康と環境を守ろうという強い思いに私たちも励まされ、ケミレスタウンプロジェクトに対する気持ちを新たにしました。



【パリ】パリの天気は一日のうちでもころころ変わり、涼しいのか暑いのか、晴れているのか雨なのかよくわからない安定しない日の連続でした。でもパリに着いた日がちょうどバーゲンシーズンの始まりだったようで、街中が人、人であふれかえり、おしゃれな人たちを眺めるだけでも楽しくなりました。また、たくさんのショッピングバッグを持った付き人を従えて、ブランドのお店に入って行くアラブの国のマダムを見たり、日本で有名な女優さんを見かけたり、パリの優雅な一面を見ることができました。

 パリではICSHD2009(International Conference on Sustainable Human and Social Development)に参加し中岡がケミレスタウンプロジェクトの概念であるSustainable Health Science およびEnvironmental Universal Designについて発表をしました。ケミレスタウンはこれらの概念の試みであり、私たちのプロジェクトは、環境から影響を受けやすい胎児や子供たちを基準にした街づくりや環境改善型予防医学を提案していることを海外にも伝えることができればと願っています。