8月4日(火)建築会館にて開催されたシンポジウム「室内空気中におけるアセトアルデヒド・トルエン・TVOCに関するアカデミックスタンダード」にケミレスメンバー(森、戸高、中岡、花里、須田)が参加してきました。これまで室内空気中の化学物質については、厚生労働省による13物質の指針値、TVOCの暫定目標値の制定や国土交通省によるホルムアルデヒドの規制などの対策がなされてきましたが、シックハウス症候群の問題がすべて解決されたとはいえず、実際に建物を設計・施工する立場の学会から新たな指標および化学物質の低減方法や設計基準、施工指針、濃度測定等々の提示がでたことは画期的なことでした。
今回提示されたアカデミックスタンダードにおいての濃度基準は、アセトアルデヒド48μg/m3, トルエン260μg/m3, TVOC400μg/m3 でした。この基準は新築時においても適用されるとのことで、新築で特に木材を多用した居室についてはTVOC 400μg/m3 をクリアするのは困難である、との声もでていましたが、それでも天然の化学物質についても十分に注意する必要があり、そのためにテルペン類を含めても400μg/m3 とした、との学会側の考え方も表明されました。TVOCの定義、外気濃度の影響、測定時の温湿度など議論の余地はあると思われますが、これを機会に活発な検討や議論がおこり、それを通してヒトをとりまく環境が改善され多くの人が快適で健やかな生活をおくることができるようになることが一番大事なことです。